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現代のロボットアームは、実際に握る物体よりはるかに重い。Fig. 1に示されるとおり、アームのエフェクティブマスは6~16 kgに達し、操作対象は8~250 gしかない。こうした質量の不均衡は、重いアームが軽い物体をぶつけた時に、物体を失敗させるリスクを伴う。

本研究では、四まわりにパラメータ化されたロボットモデルとT字型物体を用いて、物体とロボットの質量を制御したシミュレーション実験を行った。200件のデモから学習したPPO(プロキシマル・ポリシー・オプティマイゼーション)ベースの強化学習(RL)エキスパートと、同数のデモから学習したトランスフォーマーベースの行動クローン(BC)ポリシーを比較した。
実験結果によると、RLは「ロボットが物体より軽い」場合と「ロボットが物体よりかなり重い」場合の両方で、テストした質量組み合わせの85 %を超えて成功した。対照的に、BCはロボットの反射インナーシャが大きくなるほど成功率が低下し、ロボットの質量が物体に比べて軽いか同等の状態でのみ高い成功率を示した。デモ数を増やすとそのギャップは縮小したが、完全にはは解消されなかった(Fig. 12参照)。

これらの結果は、RLが大規模な質量不均衡でも適応できる一方、BCは高い反射インナーシャに対して機敏に応じられないことを示唆している。ロボット設計やデータ収集の段階で、タスク空間におけるインナーシャを考慮すれば、BCの学習コストを抑え、より安定した操作スキルを得ることができる可能性がある。
(※ Fig. 1 ロボットと日常物体の質量差 ※ Fig. 12 BCの成功率とロボットの反射インナーシャの関係)