熱帯低気圧(TC)の表層風場を高解像度で取得できることが示されました。地球静止衛星は雲頂を連続的に観測しますが、直接的に表層風を解像できません。そこで、研究者は10路径の赤外線チャンネルと4つの空間情報を入力とし、U‑Netエンコーダ–デコーダ型ニューラルネットでSAR(合成開口レーダー)により得られた風場と、最大風速(Vmax)や最大風域半径(Rmax)を推定する手法を開発しました。 ①
構造としては、衛星画像と空間情報を合成した10+4チャンネルデータをU‑Netに入力し、2‑D風場を再構築します。さらに、潜在空間に多層パーセプトロン(MLP)を接続し、Vmax・Rmax・34、50、64 kt風域半径(R34、R50、R64)を予測します。ERA5再解析データを追加することも可能ERA5再解析データを追加することも可能ですが、非リアルタイムデータが含まれる点は留意すべきです。 ②
検証では、SAR観測と衛星画像の時間差を±15 分以内に抑え、196 × 196ピクセルに切り出し、TCの中心を可変にして学習データにバイアスを与えないよう配慮しました。訓練データ量は841サンプル(115 TC)、検証232サンプル(34 TC)、テスト212サンプル(38 TC)で、RT(急速強化)事象は134サンプル(62 TC)に限定されます。 ③
モデル比較では、U‑Net単体よりもLatent MLP付きU‑Netが最も低い誤差を示しました。テストセットでのVmax MAEは5.885 m s⁻¹、Rmax MAEは8.934 km(図参照)。Post‑hoc MLPは6.715 m s⁻¹/12.507 km、単純U‑Netは7.518 m s⁻¹/17.859 kmでした。 ④