すべての人に一次情報を
PACコードのデコーダにおいて、誤りが発生した状態を扱う条件付き密度進化ガウス近似(CDEGA)と、器付ながゆれを測る危険経路併合メトリックを提案した。CDEGAは従来のDEGAを修正し、デコーダ内の既存誤りを条件付けてポストリオリ確率を推定する。危険経路メトリックは、成功したリストに残る経路上で情報ビットが誤ってデコードされる頻度を数えるものだ。
この二つのメトリックを利用して、情報ビット集合を最適化するCDEGAベース探索(アルゴリズム1)と、危険経路統計に基づくスパースかつ時変的な畳み込みエッジを付与する安全プリコーダ構築(アルゴリズム3)という二つの手順を開発した。探索は情報ビットと凍結ビットを互いに入れ替え、失敗状態全体での最小期待パスメトリクスを最大化するまで繰り返す。プリコーダ構築は、Monte Carloで得た誤り統計を参照しつつ、最小の誤り確率を有するエッジ集合を選択する。
実験では、符号長N≤512、様々な符号率とリストサイズの場合でペアリングを行った。全構造でFER=10⁻³において、従来DEGAベースのPACコードより最低0.5 dBの改善が確認された。特に、64ビット長、32情報ビット、リストサイズ32のコードでは、スパースプリコーダを用いたアルゴリズム2が約0.75 dBのゲインを示した(図6)。
改善効果はリストサイズ約32の中程度の値で最大化される。リストサイズが非常に大きくMLE(最大尤度)に近づくと追加性能は減少し、重みスペクトルはほぼ従来のPACコードと同程度になる。さらに、設計時SNRが極端に高い場合は誤り発生が極端に稀になり、Monte Carlo推定の分散が大きくなるため、アルゴリズムの精度が低下することが示された。